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アラキドン酸とエイコサノイドについて

アラキドン酸のお話になると、難解な用語を聞く機会がぐんと増えます。
これはこの成分がカスケードという変換経路を持ち、いくつもの成分へと姿を変えていくためです。
体内に取り込まれた成分がどんどん変化していき、その種類も多いので様々な名称が飛び交うことになります。
カスケードはいわゆる変換する装置のようなもので、時には人間の体内に大きな負荷をかけることもあります。
魚や肉類に含まれるアラキドン酸を、食材を通して摂取した場合に、カスケードを通して脳細胞などに役立つ素晴らしい成分に変換することもあれば、トロンボキサンのように喘息を引き起こす成分へ変換してしまうこともあります。
そして、更に知っておくべきはエイコノサイドについてです。
エイコノサイドはアラキドン酸を得ると炎症を引き起こす成分の一種です。
しかし、一般的な摂取量であればそう簡単に炎症を引き起こす成分ではありません。
寧ろ、共存が必要な味方でもあることを忘れてはいけません。
アラキドン酸は必須脂肪酸として体内で活動しますがその際の最終形態がエイコノサイドと表現しておきましょう。
同じ必須脂肪酸の中でも特にアラキドン酸はエイコノサイドを生み出しやすく、体内に増加し過ぎると炎症を伴う症状に変化していきます。

最近はこのエイコノサイドが引き起こす症状としてアレルギーの発生への研究が進んでいます。
アレルギーは原因が特定しにくく、そばや花粉、猫など広範囲にわたります。
アレルギーへの激烈な反応は時に人を死に至らすこともあります。
これは体内にある免疫機能が急激な侵入者への防御を行うためです。
防御が過剰になり過ぎると体内にショック症状を起こします。
しかしこうした激烈な反応を引き起こさないように食事をあまりに多く摂取したり、脂質の多すぎる食事をとったりすることを繰り返さない必要があります。
不足も過剰も起きないようにするのはなかなか難しいですが、まずは意識を持つことが大切なのです。