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アラキドン酸が属するn-6系と、n-3系のバランスの重要性

アラキドン酸に注目が集まり、はや10年近くたちました。
きっかけはWHOが発言したことによります。
世界の健康を守るために研究や議論を尽くしているWHOは、脳の健やかな成長や記憶の維持のためにはアラキドン酸の摂取が必要であると結論付けました。
この成果は大きく、今では日本製の粉ミルクにも多くアラキドン酸を含むようになりました。

私たちの脳を守る役割があるこの成分は、「n-6系不飽和脂肪酸」と呼ばれる脂肪酸のカテゴリーの一種です。
これは必須脂肪酸の一種であり、生まれてから床に臥せるまで、脈々と体内で消費していくことになります。
そもそも「n-6系不飽和脂肪酸」 は、6番目に位置する成分、という意味があります。
ではどんな成分たちの順番なのかというと、炭素の結合が行われる成分のカテゴリーの中です。
このカテゴリーの中で6番目に登場する二重結合がn-6系不飽和脂肪酸、ということになります。
6番目、ということはその他にも同じような炭素の成分で番号順に並んでいるものがある、という事も意味します。
特にこのn-6系とバランスが重視されているのは3番目に位置しているn-3系の成分です。
n-3系には脳の活動に役立つDHAなどが含まれており、必須脂肪酸の一種も多く属しています。

こうした成分はどちらか片方が過剰でも、不足でも体内では負担になると考えられており、バランスの良い摂取が求められています。
アラキドン酸を代表とするn-6系は主に肉、卵に含まれますし、DHAは魚類に含まれます。
どちらもバランスよく摂取することで、免疫機能の増大にもつながるとされていますので、食事の重要性が理解できるのではないでしょうか。
また、効率よくこの2つの脂肪酸系を摂取するにはベスト食材があります。
それは脂質が多めの魚です。
特にサバには非常に良質の魚の脂が含まれているので、両方の系統に属する脂肪酸を同時に摂取することができます。
豊かな脂肪酸を摂取することは決して体にマイナスなことではないのです。